伝統技法

銀銅蛭巻 蛭巻(ひるまき)

鞘や柄の装飾あるいは補強の目的で表面に施された螺旋状の模様が、水棲の小動物蛭が巻き付いたように見えるところからこの呼称があり、平安時代から幕末に至るまで好まれ製作されていた。古い例では福井県丹生郡の比売神社に、柄及び鞘に五分幅の薄い銀板を巻き付けた厳物造太刀が伝えられている。また太閤秀吉所用の大小拵(国立博物館蔵)は朱塗鞘に金の蛭巻が施されたもので最も有名である。

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煮色着色 煮色着色(煮込み, 煮上げ)

この着色法は室町以前から研究されてきた日本固有の純銅および銅合金着色法で銅塩を含む弱酸の溶液中で数十分から数時間煮込んで表面に赤褐色,赤色,黒色,青色,緑青色,緑色などの美しい酸化皮膜を形成させ耐候性を付けるもので煮色仕上げ法とも呼ばれて いる。煮色仕上げ法は装飾用の赤銅や四分一などの合金着色として発明され現在では美術工芸の分野で銅器の着色に活用されている優れた着色法であると言われている。
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木地溜塗と螺鈿 木地溜塗(きじためぬり)と螺鈿

木地溜塗(きじためぬり)、木地呂塗(きじろぬり)とも言い、深い褐色の下に木目などが透ける塗り。いずれも塗膜を作る事が特徴。
螺鈿は 貝殻の真珠色に光る部分を磨いて薄片にし、種々の形に切って漆器や木地の表面にはめ込み、または貼りつけて装飾する工芸技法。日本には奈良時代に中国から伝えられ、平安時代には蒔絵(まきえ)にも併用された。




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